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お前、覚えとけよ

更新日:2024年9月19日

事件発生日:2023年9月12日


静かな住宅街に佇む一軒家。その二階の一室で、一人の女子高生が身を震わせていた。 彼女の名はM。

17歳の普通の高校生だが、ここ数週間、彼女は見えない恐怖に苛まれていた。

学校から帰宅すると、誰もいないはずの家で何かの気配を感じる。 窓の外、玄関の影、さらには家の中でも、人の気配が漂うのだ。

しかし、それは一瞬で消え、残るのは薄暗い部屋と彼女の鼓動だけ。

親に心配をかけたくない。その一心で、彼女は誰にも相談せず、静かに日々を過ごしていた。


だが、その恐怖は日に日に増していった。


壁を通り抜ける「顔」や「手」が何度も現れる度に、彼女の心は限界に近づいていた。


9月12日

両親は旅行に出かけ、彼女は一人で家に残されることとなった。


暗い夜、リビングの時計の音が妙に大きく響き、不安感はさらに強まっていく。

どうしても怖くなり、彼女は親友の男友達Kに電話をかけた。


「家に来てくれない?」


彼の声は優しく、すぐに駆けつけると言ってくれた。

その言葉に少しだけ安心を覚え、玄関で彼の到着を待つ。

外は静まり返り、街灯の光が道路を薄暗く照らしている。


家のインターホンが鳴った。

彼の顔が映し出される。


しかし、彼女はすぐに異変に気づいた。


「彼はいつもの彼じゃない。」


家の前に立つKは、どこか不自然な笑みを浮かべ、その目には冷たい光が宿っていた。


体が強ばる。


「何かが違う。」


彼女の本能が警告を発していた。


「入れてくれよ、M。外は寒いんだ。」


その声に恐怖を感じた彼女は、咄嗟にドアを閉めた。


Kのことは信頼していたはずなのに、今は全く違う存在のように感じられる。


彼女は咄嗟に二階へ駆け上がり、寝室へ逃げ込んだ

ドアを閉め、鍵をかけ、心臓が破裂しそうなほど激しく鼓動している。

部屋の隅に座り込み、電話を手に握りしめる。

助けを呼ぼうとするが、手が震えてボタンを押すことができない。


その時、

背後の壁から異様な気配を感じた。





「…お前、覚えとけよ。」





振り返ると、そこにはKの顔が浮かび上がっていた。

壁の中から、彼の顔がじわじわと現れ、続いて手が伸びてきた。


彼女は悲鳴を上げようとしたが、声が出ない。


恐怖で喉が締め付けられ、身体が硬直してしまった。


Kの顔は歪んだ微笑を浮かべ、ゆっくりと消えていく。

彼女は震えながら、信じられない事実に直面していた。


ストーカーはKだった



あの信頼していた男友達が、何週間も彼女をつけ回し、

そしてAWAKERSの力を使って彼女の生活を侵食していたのだ。



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烏獲社による調査と警告

烏獲社は、AWAKERSの持つ異常な力を悪用した犯罪が増加していることを受けて、調査を進めている。

この事件のストーカー、Kは壁を通り抜ける能力を持ち、

被害者の女子高生を長期間にわたり監視していた。

その能力を駆使して、家の中へ侵入し、恐怖を植え付けていた。


被害者Mは、友人に助けを求めたはずが、

その友人こそが彼女を脅かす存在であったという恐ろしい事実に直面した。


KはAWAKERSとしての異常な力を持ちながらも、普段は普通の学生として生活していたため、

周囲の人々は彼の正体に全く気づいていなかった。

今回の事件は、その見えない脅威がどれほど身近に存在しているかを改めて浮き彫りにしている。



現在もAWAKERSによる犯罪は増加傾向にあり、

特に個人を狙ったストーカー行為や監視が確認されている。


少しでも異常な気配を感じた場合は、

速やかに烏獲社に連絡をし、安全確保を優先することが推奨される。




 
 
 

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